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2016年7月9日土曜日

第一章「会計と経営分析」問題文

 「はじめに」で書いたとおり、このブログは僕の子どもに将来教えたいことを書いていきます。
 予定では第一章「会計と経営分析」、第二章「経営戦略」、第三章「全体最適と制約」です。力点は第三章にありますが、それらを教えるにはまず会計や経営戦略の知識を教えないといけません。
 下記に問題を出します。基礎問題の全てについて自分なりの答えを出して下さい。応用問題についても出来るだけ答えを出して下さい。期限は1週間。
 問題の中には正解が1つではないものが含まれます。


【基礎問題】

0.あなたが会計について学ぶことの意義について、簡潔にあなたの意見を述べよ。

1.企業会計の損益計算書(PL)において、5つある利益を上から順に挙げよ。
ヒント:例えば、日本オラクル等の輸入ソフト会社の損益計算書などを参考にしても良い。(筆者は輸入ソフトの会社に勤務しているため)

2.貸借対照表(BS)の3つの大きな構成要素を挙げよ。

3.キャッシュフロー計算書(CF)で、優良安定企業の典型的なパターンを挙げよ。

4.お客様に「儲かるプラン」を提案するとき、儲かるとは何を指しているか。それはなぜか。

5.労働生産性について、営業利益ベースのものと、付加価値ベースのものの違いは何か。また時間あたりの労働生産性(営業利益ベース)を指標として重視する場合、行うべき残業のパターンを挙げよ。


【応用選択問題】

6.無借金経営のメリットとデメリットを挙げよ。

7.自己資本利益率(ROE)の構成要素を3つ挙げて、それぞれの改善策を簡潔に述べよ。
ヒント:デュポンシステムの方式

8.ソフトウェア企業において、検収が完了した受託開発費は、会計処理上はどの項目になるのか。

9.企業において会計の意義は何か。

10.あなたの夢やビジョン(仕事に限らない)を会計の言葉を使って自由に述べよ。


 どうですか。答えは出ましたか。では僕は僕なりの答えを用意しています。簿記などの資格試験では一意の答えが用意されていますが、ここでの問題は一意の答えを暗記するより、問題に対峙したとき「俯瞰し」または「寄り添い」、あるいは「いなす」方法を身につけてもらいたいと考えています。
 では次の記事から問題文を1つ1つ見ていきましょう。次回は会計を学ぶ意義を考えてみましょう。

はじめに

はじめに
 当ブログにようこそ。このブログは僕が自分の子どもが大きくなったら教えたいことを書き留めています。

 僕の子ども「なおくん」は今2才なので、20年後に教えたいことです。
 けれども20年後に教えるには大きく2点の問題があります。


  • A.僕が20年後も生きているか。
  • B.20年後に今、重要だと思うことが相変わらず重要か。

 問題点Aについてはテキストを記述し、PDFファイルで残すことにしました。このブログはそのPDFファイルの派生になります。派生ですが内容は同じです。
 PDFは妻や家族に渡そうと思うので、なるべく立派に見えるようにしています。

 問題点Bについてはブログとして現代に開き、様々な意見に晒して揉むことで普遍性を上げていくこととしました。
 もしかすると、現代で成り立つ議題が20年後には全く成り立たないかもしれませんが、普遍性を上げれば骨子は伝わるのではないかと考えます。

自己紹介
 僕は今、外資系IT企業で地図に関するソフトを自治体や公共分野を中心に販売する仕事に従事しています。狭い業界なので地図ソフトの高垣といえば僕が誰なのか分かった人もいると思いますので、その意味でもなるべく立派に書いていきます。ただし、このブログで述べることは個人の意見であり会社ならびに所属する団体のいかなる意見も代表しておりません。

 僕は20117月に結婚し、その年の4月に名古屋商科大学大学院(NUCB)のMBA(経営学修士)コースに入学しました。20113月は東日本大震災があり日本社会も、個人的にも激動の年でした。僕は自分で言うのもなんですが、運がよく、多くの人に助けられて卒業まで頑張ることが出来ました。同じ年に入学した同期のうち半数は中退しましたので、とても運が良かったのだと思います。新婚でも土日を大学院に通うことを認めてくれた妻、当時の仕事先の社長や仲間、MBAで出会った先輩・同期・後輩、このテキストの原案にあたる社内勉強会に付き合ってくれた同僚に感謝し改めてお礼を申し上げます。

 このブログはMBAで学んだことだけでなく、奈良大学社会学部で学んだ社会学、独学で続けていきたこと、政治の塾「咢堂塾」で学んだこと、何より仕事で学んだことがベースとなっています。第一には自分の子どもに将来役立ったらと思い書いていますが、同じぐらい現代に生きる他の人にもどこかで役にたったらとも思います。

「日本には全体最適の考え方が足りない」
 さて、現時点では三章で一応の完結をする文章を構想しています。第一章は「会計と経営分析」、第二章は「経営戦略」、第三章は「全体最適と制約」です。どれも自分の子どもに教えたいことですが、一番の力点は第三章の「全体最適と制約」にあります。
 これほど重要な考え方が、日本では(世界でも?)全くと言っていいほど教育を受ける機会がありません。その主な理由は3つあると考えています。


  1. 全体最適化についての手法と思想を体系的に学んだ人が少なすぎること
  2. 「全体最適」または「全体」と「最適」について根本的な定義が難しいこと
  3. 全体最適化の手法の危険性を認識しきちんと扱える人が少ないこと


 これら3つの問題点を回避するために「会計と経営分析」「経営戦略」を学ぶ構成になっています。

 もちろん全体最適以外にも子どもに教えたいことはたくさんあります。人に親切にするように、大きな志を持つように。ただ、このブログではまず僕だから教えられることに集中したいと思います。
 三章以後も記述することができるように頑張ります。

2016年7月9日 高垣 勲