2016年7月20日水曜日

【コラム】「機能の経営戦略論」と「機能−構造主義の社会システム論」

 神戸大学の三品和広教授は、著書『戦略不全の論理』(2004年)で過去の経営戦略論に名前をつけて整理している。例えばアンゾフ(1965)の市場マトリックスの手法などに関する主張を「計画の戦略論」、ポーター(1980)の5フォース分析や産業構造論を「構造の戦略論」としている。三品先生は『戦略不全の論理』で展開している自身の戦略論に名前をつけて整理していないが、僕は同じ命名規則をとって「機能の戦略論」と命名したい。また、三品先生が『モノ造りでもインターネットでも勝てない日本が、再び世界を驚かせる方法 センサーネット構想』(2016)などで展開している戦略論にも、僕は同じ命名規則をとって「次元の戦略論」と命名したい。


 「機能の戦略論」とは何か。三品先生の着想の優れた点の1つであるが、戦略を実際に存在するかどうか特定できないものとし、「戦略が機能しないのはなぜなのか、機能しない戦略とは何なのか、それを問う」(三品、『戦略不全の論理』2004年、はしがきより)。この「機能」が指し示すものに、社会学をやっていた僕には既視感がある。この「機能」は、ニクラス・ルーマンが展開している「機能-構造主義」の社会システム論における「機能」と相似形である。ルーマンの社会システム論の特徴を明かし、さらに「機能の戦略論」との相似形を示すほどに両者を抽象化して並べるには若干の紙幅が必要なので、ここでは類似性を示唆するに留めたい。
 自説の展開は第二章以後で。

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